「オペラのプロデューサーとして、チームをまとめた経験は貴重でした」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)
「オペラのプロデューサーとして、チームをまとめた経験は貴重でした」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

 先日は初めて電子バイオリンを弾く機会があったのですが、電子バイオリンを使ってバンド活動をしているジュリアード音楽院時代の同級生がいるので数年ぶりに連絡して、いろいろと教えてもらいました。わからないことを気軽に聞ける各分野に詳しい友人がいるというのは、本当にありがたいことです。

 チーム作りやメンバーをまとめるマネジメントは、課外活動を通して鍛えられました。ハーバードでは、学生はみんな何かしらの団体のリーダーを務めているんじゃないかと思うほど課外活動の種類がたくさんあり、内容も本格的です。

 私は課外活動でオペラのプロデューサーを務めました。出演キャストの募集やオーディションの開催、会場探し、資金集めにも奔走しました。もちろん、授業や膨大な宿題もこなしながらだったので、かなりハードでしたが、それも何だか楽しかったですね。そもそも大学に入るまで私は大分の高校生だったわけで、アメリカでオペラをプロデュースする機会があるなんて考えてもいなかったこと。バイオリンの演奏でステージに立ったことはありましたが、舞台の裏でスタッフが何をしているのかを知ることができたのも貴重でした。

 団体のリーダーを務めるとなると、メンバーをまとめないといけないですが、ハーバード生は一人ひとり個がすごく強い、濃い人たちばっかり。彼らをまとめるのは本当に大変なんですよ(笑)。意見の相違でしょっちゅう議論が起きるし、突然「今日は勉強があるから帰るわ」みたいな人もいたり。そういう集団の中でリーダーシップを発揮していく経験は、社会に出るためのかなりいい訓練になったんじゃないかなと思います。どうしたら彼らのモチベーションをアップできるのかに頭を使いつつ、予算管理やら舞台セットの進捗状況やら、いろいろなところを見て進めていかないといけない。すべて学生による自治で、仕事だと思って取り組んでいたからこそ、自分自身のモチベーションも維持できたように思います。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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