
小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、ハーバード時代に学んだことで、今でも役に立っていることを教えてもらった。
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Q. 学生時代に学んだことで、今の活動に生かせていることはありますか?
A. 「タイムマネジメント」「人脈作り」「チーム作り」、ですかね。どれもハーバード時代に鍛えられました。
ハーバードの学生生活は「学業、社交、睡眠のうち、2つしか同時に手に入らない」と言われるくらい、多忙なんです。私を含め、消去法で睡眠を削るしかなかった人が多かったですね(笑)。半端ない量の宿題や課外活動、授業、イベントなどがあり、まるでテトリスのように次々とスケジュールを埋めていく人たちが周囲にたくさんいました。膨大な予定をいかにこなしていくのか、彼らの動き方やスケジュールアプリの使い方を見よう見まねで学んでいるうちに、私も自然とタイムマネジメントできるようになっていたような。やらなければいけないことがたくさんあればあるほど時間の使い方の意識が高くなって、作業効率も上がっていったんですよね。とにかくどうやって時間をつくるかということを常に考えてきたので、今でもどんな作業でもなるべくシステム化して、効率的にやろうと意識しますね。
人脈作りも大学生活を通して学んだことの一つです。週末にはパーティーなどのイベントがたくさんあり、大学もそういった場で人脈を広げることを大切にしていたので、私もできる限りいろんなところに顔を出していました。もちろん、当時は友達を人脈とは思っていなかったですけど、さまざまな人たちと会って交流してきたおかげで、結果的に世界各地に各分野で活躍する友達がいるんです。パリで劇団を作った人、ロサンゼルスでスタンドアップコメディーをやっている人、ブラジルで連邦議員をしている人など。