私の場合、一話あたり32ページだとして、ネームを描くのは早ければ2日くらい、遅いときは5日ほど時間を費やす。ネームができたら、次は鉛筆で下描きを行い、最後にペンで下描きをなぞる本描きをして完成となる。
こうして振り返ってみると、漫画を描く作業というのは、前半は頭脳労働で、後半にいくほどに肉体労働になっていくことがわかる。
悲しいのは、前半のストーリー制作やネーム作業を頑張ったからといって、後半の作画が楽になるわけではないことだ。むしろストーリーを練りすぎて時間がなくなり、徹夜で作画しなければならないことだってある。いつも、ああでもないこうでもないと悩みながら描き、ページが進むにつれて全体像が見えてくる。漫画家の仕事はこういった作業の繰り返しである。