体に良い食事といえば、野菜や玄米ご飯が思い浮かぶ。しかし、疲れを回復させることが目的なら、タンパク質が豊富なサラダチキンの方が良いそうだ。多くの現役アスリートも通うトレーニングジム「IPF」代表のカリスマ最強トレーナー・清水忍さんが監修した『運動習慣ゼロの人のための疲れない動けるからだをつくるテク』(朝日新聞出版)から、「疲労回復に効果的な食事」を紹介する。
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疲労回復にいいのはサラダチキンやブロッコリー
サラダチキン、つまり鶏むね肉は、良質なタンパク質が豊富な食材です。アミノ酸のBCAAが持久的運動のエネルギー源として最適で、疲労軽減の効果もあります。また、いま注目の抗疲労成分も含有しています。
ブロッコリーは、食物繊維やビタミンが豊富。なかでもビタミンCは、運動で発生した活性酵素に対抗します。もちろん、これにこだわらず、ほかの食材もバランスよく食べるのがいいでしょう。
玄米ご飯は一見ヘルシーだが疲労回復には効果的ではない
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な玄米ご飯に、油を使わず調理した蒸し野菜を組み合わせたいわゆる玄米菜食は、一見するととてもヘルシーです。ところが、栄養バランスをよく見てみると問題があります。
タンパク質が足りないうえに、糖質の配分が多すぎます。これでは、疲労を回復させることはできません。タンパク質は欠かさず摂るようにするべきです。
玄米にはビタミンB1が含まれ、糖質をエネルギーに変えることで疲労回復を助けます。とはいえ、糖質過多な玄米菜食は、エネルギー源のメインが糖質になってしまうのが問題。糖質だけではエネルギー効率が悪く、疲れやすくなる、老けやすくなるなどの影響が出てしまうのです。
タンパク質不足が疲れやすい体を作る
疲労回復のためには、玄米に含まれるビタミンB1・B6に、タンパク質を組み合わせるのが効果的です。
タンパク質は筋トレをする人が摂るもの、というイメージがあるかもしれませんが、それは間違い。日常生活を送るうえで、一定量のタンパク質は必要不可欠です。不足すると、免疫を担うホルモンや細胞がうまくつくられないので、風邪を引きやすく、病気やケガが治りにくいカラダになります。
必要な筋肉も維持できなくなってしまいます。このほか、内臓、血液、骨、皮膚、髪、爪などをつくるにも、なくてはならない栄養素なのです。
たんぱく質が不足すると、筋肉を日々つくり続けることができなくなります。また、必要な栄養を得ようと、いまある筋肉が分解されてしまい筋力が落ちます。加えて、免疫細胞やホルモン、情報伝達物質などがうまくつくられなくなり、免疫力が低下。体力も落ちてしまいます。
特に高齢者は、タンパク質不足に注意が必要です。食欲低下や消化機能低下からタンパク質不足になりやすいので、積極的に摂取を。不足すると足腰が衰えるほか、ささいなことで骨折して、それが寝たきりの原因にもなります。
(構成 生活・文化編集部 森 香織)