FA移籍でもう一花咲かせた駒田と同様に、日本ハム、巨人でキャリアを積んだ中田の存在は数字に表れないプラスアルファをもたらす可能性がある。自主トレで弟子入りを志願するなど中田を慕う巨人の秋広優人は今季121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点をマーク。ロッテも安田、山口、藤原恭大ら伸び悩んでいる若手たちにとって、中田から得るものは大きいだろう。
一塁を守れる長距離砲が補強ポイントのチームはロッテだけではない。ソフトバンク、楽天、中日も今季は打線のやり繰りに苦労した。特に中日は今季リーグワーストの390得点と貧打が深刻だった。一塁を長年守っていたビシエドは91試合出場で打率.244、6本塁打、23打点と衰えが見え始めている。本拠地が広いバンテリンドームで本塁打量産は厳しいかもしれないが、中田は打撃フォームを改造して右方向にもヒットゾーンが広がっている。中軸として十分に計算できるだろう。
FA権を行使した際は年俸3億円からの大幅減俸は避けられないが、新たな挑戦に踏み切るか。そして、どの球団を選ぶか。巨人残留の選択肢も当然ある。悩みに悩んだ末の決断が注目される。
(今川秀悟)