〈憲法上、国会は、「国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関」(憲法41条)として、「法律による行政」の根拠である法律を制定するとともに、行政執行全般を監視する責務と権限を有しています。これらの権限を適切に行使し、国民の負託に応えるためには、行政から正しい情報が適時適切に提供されることが大前提となっていることは論を俟ちません。これは、議院内閣制下の立法・行政の基本的な信任関係とも言うべき事項であります〉
〈しかるに、(1)財務省の森友問題をめぐる決裁文書の改ざん問題や、(2)厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータの提示、(3)防衛省の陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理などの一連の事件はすべて、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれがあるものであり、立法府・行政府相互の緊張関係の上に成り立っている議院内閣制の基本的な前提を揺るがすものであると考えねばなりません〉
言うまでもなく、大島氏は与党である自民党の議員である。政府と与党という身内に対しての苦言は異例だが、議会人として至極まっとうだ。
内閣の正当性を担保するためにも、主権者である国民から委任された国会が行政監視権を持つ。議会制民主主義の常識である。
行政による国会軽視は、与党である自民党をも軽視しているということなのだ。与党の議員は政府の下請けに成り下がるのではなく、頭から火を噴くほどに怒らなきゃおかしい。