プロ野球のペナントレースもパ・リーグのクライマックスシリーズ争いを残すのみとなった。今年も多くの選手がブレイクしたが、昨年までの成績と比べて驚きの活躍を見せた選手の代表格と言えば、やはり現役ドラフトで移籍した細川成也(中日)と大竹耕太郎(阪神)の2人になるだろう。(文中の成績は10月5日終了時点)
細川は昨年まで一軍通算わずか6本塁打だったものの、中日でその才能が大きく開花。24本塁打、78打点と打撃二部門でチームダントツの数字をマークし、長打力不足に苦しむ打線を牽引した。一方の大竹もソフトバンクではここ数年二軍暮らしが続いていたが、阪神ではローテーションの柱へと成長。惜しくも規定投球回数に到達できなかったものの、チームトップの12勝をマークしてリーグ優勝に大きく貢献した。この2人の活躍を見ると、改めて環境の変化が選手に与える影響の大きさを感じずにはいられない。今年も12月8日に現役ドラフトが行われると発表されたが、第2の細川、大竹になり得る選手としてはどんな名前が挙がるのだろうか。
投手ではまず鈴木博志(中日)の名前を挙げたい。2017年のドラフトで中村奨成(広島)の外れながら1位指名でヤマハから入団。1年目には中継ぎでいきなり53試合に登板し、2年目もシーズン途中まで抑えを任されて14セーブをマークしている。しかしその後は制球難から大きく成績を落とし、一時はサイドスローに転向するなど試行錯誤を繰り返しているが、今年も一軍では9試合の登板で1勝2敗1ホールド、防御率4.07という寂しい数字に終わった。
ただ、コンスタントに150キロに迫るスピードは健在で、ボールの力は大きな魅力である。また課題だったコントロールも二軍の成績を見ると、与四球が昨年から大幅に減少しており、改善が見られるのもプラス要因だ。かつてのドラフト1位で、中日も若手の投手が少ないというチーム事情はあるため簡単に放出するとは思えないが、力はあると言われながらも4年間停滞しているのは何とももったいない印象を受ける。今年で26歳とまだ若いだけに、現役ドラフトのリストに入れれば他球団から人気になる可能性も高いだろう。