投手でもう一人環境を変えれば再生の可能性が感じられるのが二木康太(ロッテ)だ。2013年のドラフト6位という下位指名での入団ながら、3年目には一軍のローテーション入りを果たし、昨年まで通算41勝をマークしている。しかし、ここ数年は手痛いホームランを浴びる“一発病”が目立ち低迷。今年は故障で大きく出遅れ、一軍登板なしとなっているのだ。ただ8月に二軍で実戦復帰を果たすと、4試合に登板して防御率1.08と格の違いを見せつけており、年齢的にも今年で28歳と老け込むにはまだまだ早い印象を受ける。制球力の高さには定評があるだけに、大竹のようにセ・リーグ球団に移籍することで復活することも十分に期待できそうだ。
野手で真っ先に名前が挙がるのがリチャード(ソフトバンク)だ。2017年の育成ドラフト3位で入団。3年目にはオープン戦で結果を残して支配下登録を勝ち取り、翌2021年には一軍でも7本塁打を放って開花を予感させた。しかし、昨シーズン大きく成績を落とすと、今年もここまで一軍ではホームラン0本と完全に停滞している印象を受ける。それでも二軍では昨年29本塁打でウエスタン・リーグ記録を樹立し、今年も19本塁打を放つなど、その長打力は大きな魅力である。
ソフトバンクとしても右の大砲として何としても一軍の戦力にしたいところだが、過去3年間の成績と積極的に他球団から補強する戦略を考えるとこのままチームに残るよりも、新天地でプレーした方が才能の開花に繋がるのではないだろうか。現役ドラフトはもちろんだが、トレード要員としても人気となる可能性は高いだけに、このオフにチームがどう決断するかに注目だ。
セ・リーグの野手でもったいない存在となっているのが太田賢吾(ヤクルト)だ。2018年のオフに交換トレードで日本ハムからヤクルトに移籍すると、移籍1年目の2019年には90試合に出場して76安打を放つなど活躍。しかしその後は内野守備の不安もあって出場機会を減らし、今年も20試合の出場で8安打に終わった。二軍でもルーキーや若手に押されて51試合の出場にとどまったものの、打率は3割を大きく超え、6本塁打を放つなど見事な成績を残している。