地元東北の大物という意味では佐々木麟太郎(花巻東)が候補となるが、進路が不透明なため他の候補も検討の必要がある。特に右の大砲が欲しいとなると浮上してくるのが明瀬諒介(鹿児島城西)と広瀬隆太(慶応大)の2人だ。一昨年のドラフトでは吉野創士、前田銀次と2人の高校生の右打者を獲得しているが、二軍でもまだまだ苦しんでいるだけに、彼らのうち1人はぜひとも狙いたいところである。
昨年は徹底的に投手を指名したが、先発タイプは荘司だけで、今年は候補も多いため2位では先発候補の投手を狙いたい。ウェーバー順などを考えて狙えそうな投手では草加勝(亜細亜大)が面白い。大学生にしてはまだ細身だがこの春は9試合に先発して7完投(1試合は8回完投負け投手)、4完封と圧倒的な成績を残した。走者がいなくても時折クイックで投げるなど、フォームやテンポを変えることができ、制球力も高い。荘司に次ぐ右の先発候補として狙いたい投手だ。
野手では今シーズン村林一輝がレギュラーにおさまったが、若手のショートが入江大樹しかいないだけに、高校生ショートを狙いたい。スケールの大きさでは横山聖哉(上田西)がナンバーワンで、球界を代表するショートになれる可能性もあると言われているだけに、もし3位で残っていればぜひ指名したい選手だ。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。