【ソフトバンク】
オフに大型補強を敢行しながら、オリックスに大差をつけられて3年連続でリーグ優勝を逃したソフトバンク。中軸の柳田悠岐、近藤健介、中村晃は揃って30歳を超え、24歳以下の若手で実績を残しているのは三森大貴しかいない。投手陣も先発はベテラン揃いで、一軍戦力で若手と言えるのはスチュワート・ジュニアと大津亮介だけ。3年前まではチームが黄金期を迎えていたこともあって上位でも素材重視の指名を徹底してきたが、若手がなかなか主力に定着できない現状を考えると、まずは完成度の高い選手を狙いたい。
特に左の先発が不足しているだけに、筆頭候補として推したいのが武内夏暉(国学院大)だ。同じ東都大学の左腕である細野晴希(東洋大)と比べると凄みではやや劣るものの、コントロールは明らかに上で、手元で鋭く落ちるツーシームも必殺のボールである。また年々ストレートも強さを増しており、将来性の高さも感じられる。地元福岡出身というのも追い風になりそうだ。武内が抽選となって外した場合は、左投手を優先するなら古謝樹(桐蔭横浜大)、左右にかかわらずに狙うなら上田大河(大阪商業大)といった試合を作ることができる投手を狙いたい。
野手の補強ポイントとしては今宮健太の後釜であるショートと、右の強打者タイプになる。昨年もイヒネ・イツアを1位で獲得しているが、ショートとして育つかは未知数であり、右打者はリチャード、増田珠、野村大樹などがなかなか一軍に定着できないだけに、さらなる補強が必要だろう。ショートで狙いたいのが辻本倫太郎(仙台大)だ。小柄だが動きの良さは抜群で、スタンドに運ぶパンチ力も備えている。次代のチームリーダー候補としても期待できるだろう。右の強打者タイプでは2位で残っていれば明瀬諒介(鹿児島城西)、下位で狙うなら仲田侑仁(沖縄尚学)が候補。ともに飛ばす力は申し分なく、将来の中軸候補としてぜひ狙いたい。
【楽天】
シーズン終盤に追い上げてAクラス争いに加わった楽天。ただ投手も野手も主力の高齢化は明らかで、世代交代は大きな課題となっている。投手では荘司康誠、早川隆久に次ぐ先発候補。さらには抑えの松井裕樹が今年で契約が切れるだけに、取得済みのFAでの移籍となればリリーフの手当ても必要になる。野手では主砲の浅村栄斗の後継者候補となる素材を獲得したい。