■「オルカン」がいい
全世界株式投信の中で、新NISAで買うなら? 野尻さんに取材しているから言うわけではないが、純資産総額では約1兆4000億円超の「オルカン」がいい。
さすがにここでは正式名称をもう一度書こう。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」である。
純資産総額が大きいほうがコスト面などでもスケールメリットが働きやすく、運用も安定しやすい。鉄板の1本である。
ただ絶対に「オルカン」でなければいけないわけではない。
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券)ならどこでも新NISAに対応として取り扱っているが、金融機関によっては「オルカン」の取り扱い自体がないからだ。
「オルカン」以外で低コストの全世界株式の投信7本を表にまとめた。すべて新NISAのつみたて投資枠の対象投信(もちろん成長投資枠でも買える)だ。
信託報酬は、「たわらノーロード全世界株式」が0.1133%。そのほかの投信も十分に低い。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」のように、米国市場に上場する全世界株式に連動したETFをまるっと買うことで、全世界株式への連動を目指す投信もある。
なお、この2本以外は、まっすぐに約3000銘柄の株を買ってくれている。
2023年に入って「オルカン」のライバルになりそうな投信も登場した。
「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は日興アセットマネジメントの運用で、信託報酬0.05775%+その他費用0.03%以内。
「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」は野村アセットマネジメントの運用で、同0.05775%(特記されたその他費用はなし)。
いずれも低いが、今は純資産総額が小さい。「オルカン」も信託報酬は0.05775%以内で、先ほど述べたスケールメリットの安心感もある。現状は「オルカン」が無難だろう。