新NISAのつみたて投資枠対象の全世界株式インデックス型投資信託は他にもあるが特に低コストのものを選んだ。信託報酬は年率、税込みで実質的な運用コストの合計、上限(「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は2023年9月8日以降。1年リターン(2023年7月31日現在)は分配金等も考慮したトータルリターン。2023年8月23日現在で取得可能なデータを掲載

■「オルカン」がいい

 全世界株式投信の中で、新NISAで買うなら? 野尻さんに取材しているから言うわけではないが、純資産総額では約1兆4000億円超の「オルカン」がいい。

 さすがにここでは正式名称をもう一度書こう。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」である。

 純資産総額が大きいほうがコスト面などでもスケールメリットが働きやすく、運用も安定しやすい。鉄板の1本である。

 ただ絶対に「オルカン」でなければいけないわけではない。

 主要ネット証券(SBI証券楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券)ならどこでも新NISAに対応として取り扱っているが、金融機関によっては「オルカン」の取り扱い自体がないからだ。

「オルカン」以外で低コストの全世界株式の投信7本を表にまとめた。すべて新NISAのつみたて投資枠の対象投信(もちろん成長投資枠でも買える)だ。

 信託報酬は、「たわらノーロード全世界株式」が0.1133%。そのほかの投信も十分に低い。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」のように、米国市場に上場する全世界株式に連動したETFをまるっと買うことで、全世界株式への連動を目指す投信もある。

 なお、この2本以外は、まっすぐに約3000銘柄の株を買ってくれている。

 2023年に入って「オルカン」のライバルになりそうな投信も登場した。

「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は日興アセットマネジメントの運用で、信託報酬0.05775%+その他費用0.03%以内。

「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」は野村アセットマネジメントの運用で、同0.05775%(特記されたその他費用はなし)。

 いずれも低いが、今は純資産総額が小さい。「オルカン」も信託報酬は0.05775%以内で、先ほど述べたスケールメリットの安心感もある。現状は「オルカン」が無難だろう。

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老後も「全世界株式」でいいのか?