「東山氏は記者から『社名はジャニーズ事務所のままですか?』と問われ、『そうです』と答えました。私にとって、それは何よりも信じがたいことでした。喜多川氏の名前がつけられた会社で行われた犯罪は数十年にも及びます。性的に加害された子どもたちは何百人にものぼります。『週刊文春』の報道をめぐる名誉毀損(きそん)裁判で、東京高裁が2003年に喜多川氏の児童への性加害の真実性を認めた後も事態は何も変わらず、事務所は喜多川氏が子どもと一晩を過ごすことを許してきました。そして、事務所は性加害を生んだ組織から今も利益を得続けています。それらの事実を知ったうえで社名を維持するというのは驚くべきことです」
インマンさんは続けた。
「この期に及んで社名を変更するのは、得意先である企業や社会からの『社名を維持することは受け入れられない』という声に耐え切れなくなったからでしょう。彼らが本気で『社名を変えるべきだ』と、考えているとは思えません」
事務所を再出発するとして行われた経営陣の刷新についてもインマンさんは大きな違和感があるという。
「東山氏と前社長の藤島ジュリー景子氏は幼なじみのような関係で、昔からの付き合いです。事務所の新しいトップに適任とは思えません。記者会見で、『喜多川氏の性加害を認識していたのか』という質問に対して、彼の回答には説得力がありませんでした。性加害の過去を清算し、被害者たちと和解し、子どもたちの安全を守る新しい企業文化を構築できるのか。本当に新しいスタートを切ろうという気持ちがあるのか、はなはだ疑問です」