「教材を解き進めていくうちに、文章でも音声でも英語を理解する力が身につき、結果的に英検を受検できるだけの力が身についた、ということだと思います。そこで先生が『英検にチャレンジしてみたら』と、うながしているケースもあるようです」

 一方、公文には「読み書き中心の学習」というイメージがある。

「公文式英語学習はリスニングやスピーキングが弱そうに思われるかもしれませんが、むしろ逆で、特にリスニングは英検の得点源になっていることが多いです」(担当者)

 ペン型のリスニング機器「E-Pencil(イー・ペンシル)」で教材の音声マークをタッチすると、ネイティブスピーカーの音声が流れる。それをまねて音読したり、英文を書いたりするのが公文式英語学習の特徴という。

 英検には、英文読解のほかに、リスニング、スピーキングの問題もある。公文の学習カリキュラムが英検の試験内容と近いため、「なじみやすい」ということは言えそうだ。

 公文による21年の調査で、「英検取得のメリット」をたずねたところ、「取得することで自信が身につく」という回答が飛び抜けて多く、全体の61.4%を占めたという。

 筆者の息子も小学生のときから公文に通っており、ある日、「英検を受けたい」と言い出した。5級を受けて合格すると、自信がついたのかその後も勉強を続け、2年後には3級に合格した。

 担当者は「個人的な意見」と断ったうえで、こう話した。

「勉強としての英語に出会う前に、何かの機会で英語に触れて、親しみを持てるといいスタートになると思います。そうすると、子どもは『自分は英語が得意だ!』と思うようになる。得意なことは好きになる。とても大事なことだと思います」

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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