警戒したい「落とし穴」
ECCでは、受検する子どもは小学3年生から増え始め、5年生までが5級の受検の大半を占める。6年生になると、4級の志願者のほうが多くなるという。
しかし、難易度が最も低い英検5級でも、中学1年の学習レベルだ。
英語力は急に伸びるものではないので、小学生であれば英語への興味を育て、楽しみながら勉強させ、年に1~2回、「体力測定」のような感じで受検させることが持続性につながると河野さんは言う。
「英検は合格を目標にしてもいいですが、それを目的にしないことが大切。あくまでも英語の実力がついてきたので、英検を受けて、どのくらい力があるか測ってみようか、くらいの気持ちで受検するのがいいでしょう」
次の級へ急ぎすぎると、「ステップアップの落とし穴」に落ちてしまい、子どもが英語嫌いになってしまう可能性があるという。
以前の調査結果によると、5級から3級までは6割程度の得点で合格できるようになっていた。つまり、残り4割は正答できていなかったということになる。
その状態ですぐに次の級を受検させても良い結果は出ず、かえって子どもに「英語はもう嫌だ」と思わせてしまうことになりかねないという。
「自分は英語が得意だ!」
公文教育研究会が運営する公文式教室で英語を学び、英検を受検する小学生も多い。
公文が21年に行ったインターネット調査によると、5級から3級に合格した小学生のうち、公文式英語を学習した割合は38.6%にもなったという。
しかし、公文では特別な英検対策を行っているわけではないと、担当者は話す。