二回目の挑戦。3の段をクリアし、4、5、6ときて、「7×6」で引っかかりました。
ラスト3回目。またしても3の段で引っかかって、ついに失格。すると、笑福はそのまま、前のめりになって、顔を床にうずめました。ずっと動かなかった。
どうしたのかと思ったら、悔しくて泣いていたのです。自分が出来なかったことに悔しくて泣く。大嫌いだった勉強。苦手な九九に本気で挑戦していたんですね。
悔しくて泣いている姿を見て、こっちも泣きそうになって。妻と一緒に強く抱きしめました。僕は大人になってこの世界に入り悔しさを何度も経験することが出来ました。
悔しさは人を成長させる。
結果だけじゃなく過程が大事で。今夜、二回目のテストです!!
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中