プロ野球でリクエスト制度が導入されてから今季が6シーズン目。微妙なプレーに対し、監督がビデオ判定を求める光景は当たり前の姿となった。
【写真】パ・リーグ審判員を29年つとめたレジェンド審判がこちら
「審判も人間なので見えにくいプレーやミスは必ずある。しかし選手は1つ1つのプレーに生活がかかっている。判定を完璧なものに近付けるため判定の補完のために使っているという意図は皆さんに理解いただいている」(NPB関係者)
「当初は各球場で撮影機材等のバラツキがあり統一性が取れないこともあった。今でも地方球場に関してはそういった場所もあるが本拠地球場に関してはどこも完備している。様々な角度から検証でき判定の正確性が高まった。また映像を球場内のビジョンにも流せるのでエンターテインメントの1つにもなっている」(パ・リーグ球団関係者)
ビデオ判定は2010年に本塁打限定で始まり、今では各塁でのアウトとセーフ、死球なども対象となっている。2018年からは監督によるリクエスト方式も採用された。基本的に制度導入自体は肯定的に見られているが、試合序盤から意味のないような場面で乱発されるようなケースもあり、その使い方については一部で批判もある。
「各監督が『リクエストを使わないと損』と考えるのか、試合序盤から乱発する傾向がある。1つのプレーの結果が選手の給料に響くので使うのはわかる。しかし何でもかんでも使用して試合が途切れることで、見ている側からすればダレてしまう部分がある」(在京テレビ局スポーツ担当者)
試合開始の段階では各チームにそれぞれ2回のリクエストの権利が与えられる。審判の判定が覆れば権利の回数は減らず、判定通りなら減るリスクはあるが「少しでも微妙な判定なら使ってしまおう」とリクエストの判断基準が“軽い”と感じる時もある。
「不可解なリクエストも見かける。巨人・原辰徳監督のようにアウトカウントを勘違いしたようなケースもあった。危険球となってもおかしくない投球に(死球か否かの)リクエストをしたヤクルト・高津臣吾監督の時はブーイングが飛んだ。見ている側が置き去りにされている、と言われても仕方ない」(在京テレビ局スポーツ担当者)