8月16日に行われた中日対巨人戦(バンテリンドーム)の3回、巨人は2死一、二塁の場面で打者の坂本勇人が三塁ゴロに。打球を捕球した石川昂弥は二塁に送球し、そこでアウトと判定されたプレーは微妙だったが、打者の坂本は一塁で完全にアウト。仮に二塁でのプレーがセーフだったとしても、その回の攻撃は終了したが、勘違いした原監督がリクエストを求める“珍場面”があった。
8月23日の巨人対ヤクルト戦(東京ドーム)では、ヤクルトの小川泰弘が打者の坂本の頭部付近へ投球。坂本は頭部に球が当たることは避けたものの、右手にかすっており死球の判定となった。しかし、球が手には当たっていないのではないかと高津監督がリクエスト。ヤクルト投手陣は今シーズン死球数が多く、坂本へ投じた球も危険なものだったことからネット上などでリクエストを求めた高津監督に批判の声があがった。
リプレー検証の導入については「映像を確認することで説得力がある判定を下せて試合進行をスムーズにできるようになった」(NPB関係者)と現場やファンも受け入れているが、リクエストのタイミングについては議論の余地はあるだろう。特に審判や相手チームへのリスペクトを欠いたものは減らすべきだ。
「日本では子供の頃から審判に対して何処か疑心暗鬼な部分がある。微妙な判定に関して信じられない人が多く、抗議するのが当たり前の風潮もある。監督、選手と審判団がお互いにリスペクトし合うフェアプレーの精神も時に必要ではないか」(アマチュア野球に詳しいスポーツライター)
8月12日のロッテ対西武戦(ZOZOマリン)では、9回裏ロッテのサヨナラ犠牲フライを巡り珍事があった。三塁ランナーのタッチアップのタイミングを巡って西武・松井稼頭央監督がリクエストを要求。しかし審判団からは「リプレー映像はありませんので、判定通り得点とします」と説明され試合終了となった。
「西武としては納得いかないはずだが、ルールに則って敗戦を受け入れた。ネット上などでは問題視されていたが意見書提出なども行なっていない。大人の対応というか、フェアプレーの一端を見た気がした」(アマチュア野球に詳しいスポーツライター)