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元プロ野球選手で、PL学園時代には夏の甲子園でも活躍した清原和博氏の息子、清原勝児は九回に代打で登場。球場全体が大喝采で、優勝決定の瞬間を除けば、この日一番の盛り上がりを見せた。丸田はこうも言った。「彼が出ると、球場が彼のものになる」
連覇を期待される重圧
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そうした巨大な音圧が影響したか、仙台育英は投手陣の球数がかさみ、左中間への飛球を左翼手と中堅手がぶつかって落球するなど、準決勝までの隙のない姿ではなかった。それでも、連覇を期待される重圧の中、決勝まで勝ち上がってきた胆力は見事だった。
今夏は全国各地で熱中症警戒が報じられる猛烈な暑さの中で開幕。今大会からは暑さ対策として、五回終了時に10分間のクーリングタイムが導入された。
球児たちの髪形にも注目が集まった。慶応や土浦日大(茨城)、花巻東、浜松開誠館(静岡)など丸刈りではない高校が目立ち、新たな時代の到来を予感させた。
新たな時代といえば、近年はほぼ上位に進出してきた近畿勢が今夏は8強入りできず、代わって仙台育英、花巻東、八戸学院光星(青森)と東北勢が8強入り。3校が進んだのは史上初めてのことだった。
グラウンド内外でフレッシュで多様性に富んだ話題が続き、暑く熱い記憶に残る大会だった。(編集部・秦正理)
※AERA 2023年9月4日号
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