――山田さん自身が子育てをしてみて、気づかされたことはありますか?
息子に言われてハッとさせられたことがあって。5歳の時に電車の通勤ラッシュの映像を見て、「なんで大人は不機嫌を巻き散らかすの?」って聞いてきたんです。「ママもイライラしている時に、『怒ってます』って態度を出すよね」って言われて。確かにその通りだし、面白いなあって。子どもの感性は本当に鋭いんです。良いものも悪いものもスポンジみたいに吸収する。子どもは親や周りの大人の表情、しぐさをしっかり見ている。親が幸せを感じないと、子どもも幸せを実感しにくいと思います。
――心のゆとりの重要性を感じさせられますね。
幸せの形は人それぞれだし、子育てもいろいろな方法があります。イソップ寓話(ぐうわ)の「北風と太陽」がいい例ですけど、感受性は人それぞれです。お互いを認め合った上で、万人に受けなくていい。自分を俯瞰して見られるようになったら、気持ちが少し楽になると思います。将来に希望を持てる社会になることを誰よりも願っていきますし、母子支援活動を含めて今後もさまざまなサポート活動を続けていきたいです。
(平尾類)
※【後編】<15歳から母と弟を養った「山田まりや」が感じる子どもの生きづらさ 「『子ども居酒屋』をつくればいい」の真意は?>に続く