山田まりや(撮影/篠塚ようこ)

 私は、いじめられた時に、「いじめのセオリー」みたいなものを自分の中で見つけたんです。「自分を弱い人間だとわかっているから自分より下の人間をつくりたいんだ」と。だったら私は10歳年下の弟を守るためにそんな人間よりも強くなってやる!と気持ちがガラッと変わり、新しい自分で学校へ通えるようになりました。

――つらい思いをされた子ども時代から20年以上がたち、少子化が進んでいる今の日本をどのように感じていますか。

 当時と違って、今はSNSでがんじがらめになっているように思います。発言する自由、多様性など言う割に、嫌がらせのようなコメントがあふれていて息苦しい。人の意見を受け入れる器が「おちょこ」レベルの人が多いなと感じます。自分がSNSで吐いた言葉をその人がどう受け取るか、どういう感情を抱き、ショックを受けるか想像もできない。発言に責任も持たないので、言葉を投げ捨てる。あまりにも無責任で、私から見たら道端に落ちている犬のフンと一緒に感じています。でも、それでも若い人には発言することを怖がってほしくないんです。自分軸でどう柔軟に対応し笑ってやり過ごせるかを考え、常に気持ちをニュートラルに保つ事が生きていく上で大事だと思います。

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若い子は「結婚しても続ける自信がない」