山田まりや(撮影/篠塚ようこ)

――田原総一朗さんと激しい議論を交わしていました。

 田原さん、実は、本当に優しい方なんです。20年以上前に選挙特番で共演したのですが、今回、番組前にごあいさつさせて頂いた時に「久しぶりだね」って覚えてくださっていて。私の方がびっくりして、感動してしまいました。討論中もずっと目を見て話してくださるし、気をつかっていただきました。(激論の場面は)自然に言葉が出てしまった感じです。昨年の1年間で、小中高生合わせて514人が自ら命を絶っているんですよ。こんな悲しい事実があるなかで、将来の希望が持てるとは言えません。だから、「そんなわけない」と思って発言しました。

――現在は芸能活動のほかに、母子支援活動も積極的にされています。ご自身が歩んだ人生も影響しているのでしょうか。

 もちろん、私の経験値でしか語れないものがあるとは思っています。幼少期は、父親が酒を飲むと暴れるのでビクビクしていました。両親が離婚してからは、私が15歳から28歳まで、母と弟を養う形で生活してきました。今となっては、父と母がなぜああなったのか整理がつくけれど、当時は現状を打破したいと必死でした。たまたまスカウトしてもらってグラビアアイドルになりましたが、自分のことをかわいいとは思えなかったし、自信もありませんでした。学校ではいじめを受けて通えない時期もあって。でも、そこで救われた言葉があるんです。職員室に助け求めた時、ある先生に「そいつらとは今だけで、一生付き合わなきゃいけないんじゃないんだから」と言われ、「そうだよな」と妙に納得できたんです。

次のページ
人の意見を受け入れる器が「おちょこ」レベルの人