続いて2つ目の「思考力」とは、誘惑の多い世の中で子どもがよりよい道を選んでいくために欠かせない能力です。
特に、周囲に惑わされず物事の本質を見抜く思考(クリティカルシンキング)と、柔軟な思考を可能にする地頭力が二大要素になります。
この能力が身につくトレーニングを賢い親たちは行っているのです。
最後の「アイデンティティの確立」とは、自分はどう生きるかの指針をハッキリと決めていくための力。
子どもは様々な経験の中で、自分は何者であり、どう生きたいかを明確にしていきます。
このアイデンティティの確立こそが教育の最終目標であり、親はそのために子育てをしている、と言っても過言ではありません。
これらは、それぞれまったくバラバラの資質のように見えますが、関係としてはピラミッドのようなものです。
根底にある「よい習慣」が人間としてのベースを作り、家庭でのトレーニングによって培われた「思考力」が子どもの人生の方向性を決定づけていき、最後に「アイデンティティ(ぶれない自分らしさ)」がてっぺんにできあがる、というイメージをしてもらうとわかりやすいでしょう。
優秀な子どもには、ほぼ例外なくこの3つの柱が備わっており、驚くことに、どの家庭でもその資質を身につけさせるためのアプローチが共通しているのです。
教育に関しては様々な研究も進んでいますが、その研究の中でも、賢い親たちがとっている行動の正しさを裏づけています。
(本原稿はToru Funatsu著『すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。』から一部抜粋・編集したものです)