また、親からの愛情が実感できず、精神的にもろくなってしまう子どももいます。
一方で、経済環境がよくない、親はごく一般的な職業、地方在住といった家庭から、とてつもない能力を持った子どもが育つというケースも多々あります。
日本人で初めて4大大会(USオープン)を制覇した大坂なおみさんを例にとると、彼女の親はテニスの経験がほぼなかったと言います。
にもかかわらず、父親はコーチとしてプロになるまで指導し、大坂さんの偉業をサポートしてきたのです。
つまり、「遺伝」や「親の職業」が子どもの人生の決定的な要因になるかと言えば、そうではないと私は考えています。
教育においては、「お金がないからよい教育ができない」「自分たちには才能がないから子どもも才能がない」「地方在住で教育機会が少ないから不利」というのはバイアス(思い込み)であり、そのようなバイアスは今すぐに捨ててほしいのです。
親の持つバイアス、保身や理想の押しつけなどが、子どもの真の才能をつぶしてしまっている。私はそう感じてなりません。
最初から「この程度だ」「普通でいい」「人並みでいい」という前提でスタートしていれば、教育がうまくいくはずなどないのです。
優秀な子が育つ家庭で行われている3つの柱
では反対に、優秀な子どもが育つ家庭で行われているのは、どんなことなのでしょうか?
賢い親のもとで育った子には、3つの柱が備わっています。
その柱とは、「よい習慣」「思考力」「アイデンティティの確立」という3つです。それぞれ簡単に説明しましょう。
まず「よい習慣」とは、子どもの人間性を作るベースになる行動習慣のことです。
性格やメンタリティ、やる気なども含めた人間性は、よい習慣によって作られていきます。その習慣を身につけさせるための教育が、各家庭で行われているのです。