三重県でも最高気温が35度以上の日が続き、熱中症警戒アラートが発令され、熱中症の危険が高まっていた。

「そんなときに知事から『これまでよりも踏み込んだ対策をとるように』と、県教委に指示があった。それで、熱中症の事故防止対策の徹底を図ったわけです」(前出・堀越課長)

主催団体とも話し合う

 今回の通知が学校現場ですんなりと受け止められた背景には、以前から暑さ指数にもとづいて部活動を運用する意識が根づいていたことがあるという。

「WBGT計を学校に整備して、暑さ指数に応じた適切な運用をしてもらうように求めてきました。活動場所で時間ごとに暑さ指数を測定して記録し、教職員に伝える。今回の通知によって、複数の部活動で使い回してきたWBGT計を買い増してより厳密に対応した、という話も聞いています」

 従来から三重県内のインターハイの常連校は熱中症対策への意識が高く、気温の比較的低い早朝に練習するなど、生徒のコンディションを高める工夫をしているところが多いという。

「そうしたことから、今回の通知を受けて部活動の現場が混乱したといった話は聞いていません」

 部活動における各種大会への参加については「大会主催者の指示に従う」と定めている一方、県教委は県内の大会における熱中症対策について、主催団体と話し合ってきた。

「大会の実施についても暑さ指数にもとづいた運営が必要と考えております。例えば、試合開始時間の変更や大会の延期などについて、助言をさせていただいています」

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日本サッカー協会も思い切った対策に