さらに、アルコールを摂取すると自律神経が不安定になり、汗をかいて体温を調節する機能がコントロールできなくなる。暑さに対する感覚が鈍くなったり、のどの渇きも感じにくくなったりするという。

「私の専門は麻酔科ですが、アルコールは麻酔と同じなんです。痛みが麻酔によって痛くなくなるのと同じで、アルコールの麻酔作用によって、体の危機に気が付くのが遅くなってしまうという問題も生じます」(谷口医師)

 環境省は、熱中症の危険度を判断する数値として「暑さ指数」を公表している。これは、「気温」「湿度」と、「輻射熱」といって日差しを浴びたときや、地面や建物から反射する熱の三つを取り入れた指標で、割合は気温1:湿度7:輻射熱2、となっている。

自殺行為に等しい

「気温がグッと上がるより、輻射熱の方が危険だということ。バーベキューや路上飲みは、大げさに言えば上下から『焼かれている』ような状態ですから、暑さが倍増します。そうした環境での飲酒は、もはや自殺行為に等しいと言えます」(谷口医師)

 また、医療面での厄介な問題もある。熱中症と急性アルコール中毒は症状がとても似ていて、診断が難しい点だ。

「どちらなのかで治療法を変える必要が生じるのですが、見極めが難しく判断が非常に大変です」と谷口医師は事例を語る。

 炎天下でピクニックをしたあとに激しくお腹を壊し、「食当たりを起こした」とやってきた患者。だが、同じものを食べた知人たちに症状がないことを不審に思いよく調べると、こちらも熱中症だった。

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