夏の甲子園、全国高校野球選手権大会に初出場する静岡県代表、浜松開誠館高校は、気候危機問題を社会にアピールしている学校として知られている。
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2022年11月、浜松開誠館の中学、高校の生徒約1000人が気候危機の深刻さ、環境保護を訴えて、JR浜松駅や市役所の周辺を行進した。市役所前では、生徒は鈴木康友市長(当時)に気候危機を周知するための動画作成などを提言した提言書を手渡した。
地元紙は同校生徒会長の話をこう伝えている。
「若者の未来が危機的な状況にあることを知ってもらいたい。市民の行動や気持ちに少しでも変化があればうれしい」(ウェブサイト「あなたの静岡新聞」2022年11月25日)
学校はこう説明している。
「若者世代から街の大人に対して気候危機を訴える、気候マーチが行われました。学校で決起集会を行い、街で気候危機を訴えながら市役所を目指しました。市役所では、鈴木康友市長や家康君、直虎ちゃんが迎え入れてくださりました。市長からは、ゴミ問題の解決など多くの気候危機に関するお話をいただきました」(同校ウェブサイト)
気候危機対策を求める訴えは、2018年にスウェーデンの環境活動家グレタ・エルンマン・トゥーンベリさん(当時15歳)がデモを始めたことから、世界中に広がった。10代の高校生、大学生など若い世代を中心に世界各地でデモを行っている。浜松開誠館の生徒も地球温暖化が進む中、気候問題に危機感を抱くようになり、「決起集会」を行うほどの運動になった。
学校は当時のことをこう記している。
「本校では、2019年9月、グローバルコースの生徒が中心となって気候危機への意識を高め、『自分たちで気候危機を訴えよう』という生徒が立ち上がりました。主体性を育むSDGs教育の中でこの活動は広がり、生徒たちは校内全体へ活動協力を呼びかけ、メッセージボードを持ちながら『“Save the earth, save the future.”地球を守ろう、未来を守ろう』と声を上げ、浜松駅から市役所前広場まで市民に気候危機を訴えかけました」(同校ウェブサイト)」。