
「ヒメ」が9歳の頃に、知人のところで生まれた「みこ」と「こまこ」を迎えたのですが、「ヒメ」は愛情深く、お母さんように2匹の世話をしました。その3匹を連れて、私は結婚したのです。主人も動物好きで、猫たちをすごく可愛がってくれました。
でも「ヒメ」が16歳の秋に腎臓病になり、旅立ってしまった。もう少しゆっくり病が進むと思ったのに、急激に悪くなって別れもあまりに急だったので、後悔しかなく、私は泣いてばかりになりました……。
落ちこむ私を励まそうとしたのか、「こまこ」はそれまでしなかったのに、オモチャを投げると持ってきてくれたり。でもどうしようもなく寂しくつらい日が続きました。
つらさを助長したのは「みこ」と「こまこ」の関係の悪化。子猫の時は仲が良かったのですが、なぜかその後、姉妹であることを忘れたように不仲になり、とくに「ヒメ」がいなくなってからは、毎日ヒステリックにウギャー、シャー。毛も飛び散るほどの喧嘩に心を痛めました。
そんな折に、「新しい子を迎えてみようか」という話が出たのです。「みこ」と「こまこ」は当時9歳。その昔「ヒメ」が「みこ」たちを迎えたのも9歳でした。最初は子猫をと思ったのですが、大人の猫も可愛いよねと話していた時、主人が保護猫の里親募集サイトで「この子、可愛いね」と、一匹の猫を見つけました。それが「大ちゃん」です。
■ビビりのはずが、体を触らせてくれた
11月末に愛護団体のシェルターに会いに行った時、「大ちゃん」は一匹でぽつんとケージに入っていました。ビビりのせいか保護主さんにもなつかなかったそうで、「触れないかも」とスタッフに言われました。ところがすぐに体に触らせてくれたのです。心が動きました!
12月初めにトライアルを始め、2週間後にうちの子になり「大福」と名付けました。
最初はケージに入れて布を被せていたのですが、「みこ」と「こまこ」は、中を覗いてはシャーっと怒っていました。まるで、「誰なのよ」とでもいうように。「大ちゃん」は初日はとにかく怯え、猫たちだけでなく私たちがちょっとケージに近づいただけでも、シャーと猫パンチを飛ばしてきました。
