早くも去就に注目が集まるヤクルト・田口麗斗
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 今シーズン国内フリーエージェント(FA)の権利を取得したヤクルト田口麗斗の去就が早くも注目されている。

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 大ブレイクの機会をくれた現在の所属球団に忠誠を尽くすのか。新たなチームでキャリアを歩むのか。これから佳境を迎えるシーズンの行方とともに目が離せなくなっている。

 NPBオールスターゲームでの主役は田口だった。7月19日の第1戦(バンテリンドーム)に現れた左腕の髪はド派手な色に染まっていた。「12球団のイメージカラーを入れたいですと(美容師に)伝えて」と球宴仕様のヘアスタイルが話題となった。

「目立つ方法を常に考えている。(オールスターでは)何かやると思っていたが、あそこまで徹底したら大したもの。グラウンド上でも変わらず頼りになる投球をしているので、文句を言う人はいない」(ヤクルト関係者)
 

廣岡大志選手=2022年3月、東京ドーム

 田口は2021年シーズン開幕前に廣岡大志(現オリックス)との交換トレードで巨人からヤクルトに移籍。巨人では先発、中継ぎと便利屋のような起用をされていたが、ヤクルトでは役割が定まり飛躍した。ブルペンの柱として2年連続のリーグ優勝に大きく貢献、今季は退団した守護神マクガフに代わってクローザーを務め、ここまで35試合に登板して1勝2敗、24セーブ、防御率1.56と抜群の安定感を誇っている。また、チームの盛り上げ役としても欠かせない存在だ。

「肉体、精神の両方がタフで登板数が増えても泣き言1つを言わない。勝ち試合を締めた後、クラブハウスへ向かう途中でスタンドを煽るパフォーマンスも定着。チームは苦しい戦いが続くがグラウンド内外で頑張っている」(ヤクルトOB)

 オールスター初戦の同日には国内FA権を取得。「誰でも取得できる権利ではない。若い時から頑張ってきて良かった。今はチームのことしか考えていない」とコメントを発表した。

「球威が素晴らしくピンチに動じない強い精神力を併せ持つ。チームは毎年のように故障者が出て苦戦を強いられる中、健康で投げ続ける田口の存在は貴重。絶対に手放したくない投手なので、(ヤクルトは)今オフ、金額を大幅にアップさせた上での複数年契約を提示するはず」(在京球団編成担当)

 現代野球では「ブルペンが順位を左右する」とも言われるが、その重要なポジションを守り続けている。年齢も28歳とまだ若く今後最低5年は働けることを考えれば、ヤクルトは好条件を提示して全力で引き留めようとするはず。田口本人もチームに居心地の良さを感じており、相思相愛で残留が基本線と見られているが……。

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