学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
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小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、本の内容を理解し上手に要約する際のポイントを教えてほしいという、20代男性からの相談に答えてくれた。

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Q. 本の内容を、特に長い本について簡潔にアウトプットできるくらい理解するにはどんなことを意識して読めばいいでしょうか。また、スマホのメモにうまく要約するポイントもあれば教えてください。

A. ハーバード時代は課題として読まなければならない論文がたくさんあり、その内容を授業で発表しなくてはいけないこともよくありました。そんな時は、パラグラフごとに最初と最後の部分を読み、真ん中はさっと流し読みという感じで進めるのですが、その際にパラグラフごとに1文でごく短いメモをつけていました。長編のものになると「最初のほうで書かれていたことって何だったっけ?」と忘れてしまうこともあるので。

 すべてを読み終えたら、メモだけを読み返します。そして、その中から特に大事なメッセージだと思ったものにグルッと丸をつけていき、それらのポイントを説明できるようにしていました。本が自己啓発本やビジネス書なのか、文芸小説やエッセーなのかでだいぶ読み方は違ってきますが、前者であれば時間をかけてじっくり読むというよりも、論文と同じような読み方で全体の構造を見ることを意識するといいんじゃないかなと思います。

 要約は、そもそも必要なのかという話になってしまいますが、要約することが目的にならないよう、本を理解しようと意識することが大事ですよね。読まなくてもいいのならChatGPT(チャットGPT)にまとめてもらうほうがいいような。

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廣津留すみれ

廣津留すみれ

ひろつる・すみれ/バイオリニスト、国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授。1993年、大分市生まれ。2016年にハーバード大学(学士課程)、2018年にジュリアード音楽院(修士課程)を卒業。世界的チェリスト、ヨーヨー・マとの共演のほか、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの演奏・録音などを担当。情報番組にコメンテーターとして出演も。著書に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)など。2022年にファーストCD「メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ」をリリース。ジュリアード音楽院の教授ジョセフ・リン氏の代演を務めたコンサートのライブ音源を収録している。

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