■かつては高級品だった
16年、会社として「高付加価値経営」を打ち出し、つまり会社丸ごとプレミアム化をはかった同社が、その翌年、旗艦商品として立ち上げたのが、このプレミアムなポテトチップスだった。同社のマーケティング部で、プライドポテトを担当する高戸万里那さんは言う。
「人口減少や高齢化もあって、単価は下がっているのに販売数量が伸び悩む状態。お客さまもとにかく安い物を買いたいという傾向が強まっていた頃ですね」
そうして、かつては高級品であったポテトチップスの原点に返ろうと開発をスタート。国産じゃがいもを原料に、「素材から揚げ方まで、こだわり抜いた商品」(高戸さん)が完成する。
発売から6年。今では同社のポテトチップスの売り上げを牽引する存在に。すでに物価高が加速していた23年2月に行ったリニューアルのあとも、リニューアル前に比べて60~70%増の売上数(1店舗当たり)をキープしているという。
そう言われてあらためて味わうと、パリサクな食感がまさにプレミアム。それでいて通常のポテトチップスとの単価の差は、店舗によって違いはあれど、「10~20円ほど」(同)。猛暑のなか来る日も来る日も働いているんだもの。それくらいの贅沢はしてもいいと思います!(ライター・福光恵)
※AERA 2023年7月31日号より抜粋