そんなふうに言ってくれました。沖縄では、人それぞれ抱えているものがあっても、小さな島の中でみんなで生きていかないといけないんです。そういう風土に、ryuchellは癒され、安心できたんでしょうね。
ryuchellの死というものを、沖縄の人は自分事のように“ちむぐりさん(「心が痛む」という意味の方言)”として受け止めていると思います。私も、同じ“うちなーんちゅ(「沖縄出身の人」を指す方言)”としてryuchellを助けてあげることはできなかったのかなって、この数日ずっと考えています。
やっぱり、ryuchellの残した言葉っていうのは、私たちにとって大事な宝だと思うんですね。トークイベントには、大学生の姪っ子も来てくれたんですけど、最初から最後まで泣きっぱなしだったらしいです。彼女は、こう話していました。
「生きづらさは誰しもが持ってるし、100%幸せな人なんていない。ryuchellが考えてることは、今を生きる若者みんなの頭にもあると思うんだけど、それを言葉にして、説得できる力があるのはryuchellしかいない」
どんな人であっても、生きていることはすばらしい。そんなryuchellのメッセージを受け取った人間の責任として、ほかの人たちにも伝えていきたい。単にカリスマ性のある有名人が死んだということに留めずに、私たちはその死から何を学べるのか、どんな社会を作っていけばいいのか、そういうことを考えるきっかけになってほしい。私も、この先ずっと考え続けていくと思います。
(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)