ここで「昇進を待とうかな? いや、転職しようかな?」と考えるだけでは意味がありません。さらに一つひとつの選択肢を掘り下げる必要があります。
たとえば「昇進」をするために、さらにイシューを掘り下げるなら、図のように整理できます。
同様に、「転職」についても、掘り下げておく必要があります。
「イシューの精緻化」というのは、図のように、いくつかのステップを踏んで、問題点を深く掘り下げていくことです。
すると根本的な問題が「具体的な行動」として浮かび上がってきます。
課題の達成確率は、シビアに考えておく
さて昇進と転職、まずは2パターンで「イシューの精緻化」を行いました。わざわざ2つのパターンで精緻化を行ったのは意味があります。
この結果、「訪問数を3つ増やす」と「IT業界への転職活動をする」という、変えるべき行動がそれぞれ浮かび上がりました。ここで、はじめて両者を比べるわけです。
もし「訪問数を変えるだけで、売上が伸びて昇進できそうだな」と思うのなら、昇進を目指した方がいい。一方で「同じ仕事をしていても、別の業界に行くだけで評価が上がりそうだな」と思うのなら転職を選べばいい。
多くの人が「昇進と転職のどちらを選べばいいか?」という時点で立ち止まって考えてしまうのですが、そこで終わってはいけません。
「訪問数を変える」のと「IT業界への転職活動をする」こと。どちらのコスパがいいか、と考えて、最終的に行動同士を比べることが大切なのです。
解決すべきそもそもの課題は「お金がないこと」でしたよね。よって、ただ「どちらの行動を選んだ方が課題解決の確率が高いのか」を考えればいいだけなのです。
人生でも勉強でも「がんばればなんとかなる」と思っている人はたくさんいます。
もちろん、がんばることも大切です。
しかし、その前にきちんと戦略を立てなければ、ムダな努力で終わってしまう危険性があります。