目の前の課題を掘り下げることが必要 ※写真はイメージです(Getty Images)
目の前の課題を掘り下げることが必要 ※写真はイメージです(Getty Images)
この記事の写真をすべて見る

 スキルアップのために日々勉強しているビジネスパーソンの中でも努力が報われて、成果が上がる人とそうでない人がいます。努力が報われる人の特徴の一つが、「何が自分の課題なのか把握できている」という点だと、『9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する勉強の戦略』(朝日新聞出版)の著者岡健作は語ります。自分の目の前にある課題をより精緻に突き詰め、解消していくノウハウを、同書から一部抜粋して解説します。

【図版】課題を掘り下げる意味とは

*  *  *

「課題」をさらに掘り下げてみる

「努力が報われる人は、どういう人なのか?」 そのような人の特徴の一つとして、「何が自分の課題なのか、をきちんと把握している」という点が挙げられます。

 この課題に対しての解像度の差が、努力が報われる人と、報われない人の大きな違いなのです。

 私は、課題の解像度を高めることを「イシューの精緻化」と呼んでいます。イシューは「課題」、精緻化は「細かい部分まで明確にする」という意味です。

 これだけではわかりにくいと思うので、勉強ではないのですが、身近な例で説明していきましょう。

 ある会社員が「お金がない」ことに悩んでいるとします。

 ここで「生活を切り詰めよう」「ボーナスまで耐えよう」「がんばっていればいつか昇進するだろう」と思ってしまってはダメです。それは「思考停止」です。

 本当にお金がないことに悩んでいるのなら、それよりも「イシューの精緻化」を進めるべきです。課題を掘り下げていくのです。

「お金がない」という課題の解消を突き詰めていくと、どうなるでしょうか?

 お金がないとき、まずは大きく2つのルートがあります。「支出を減らす」もしくは「収入を増やす」です。当たり前ですね。

 多くの人は節約をして「支出を減らす」ことはわりと実践しています。一方で「収入を増やす」ための方法は実践していなかったりします。

 そこで「会社員が収入を増やすにはどうすればいいのか?」をさらに掘り下げていきます。すると昇進、転職、副業あたりが思い浮かぶでしょう。

次のページ
課題ごとにイシューの精緻化を