「実力を発揮すれば一軍でも結果を出せるが長続きしない。同じようなシーズンが続いているので楽天首脳陣も信用できない部分があるはず。チームの不振が続く中、西川の二軍調整が長引いた理由のはず」(在京球団編成担当者)

 楽天移籍1年目の昨季は3、4月の月間MVPを受賞するなど素晴らしいスタートを切った。さらなる活躍が期待されたが、5月以降はパフォーマンスが一気に落ちてシーズン終盤はスタメンを外れることも増えた。最終的には108試合の出場で打率.218、7本塁打、37打点と物足りない成績に終わった。

「昨年の開幕直後は、放出した日本ハムを見返してやろうという気持ちが強かったのだろう。走攻守の全てで集中した素晴らしいプレーを見せていたが、5月からは別人のようになってしまった。話には聞いていたが、気持ちで大きく左右される選手なのが理解できた」(楽天担当記者)

 日本ハムでプレーした2021年のオフには大田泰示(DeNA)、秋吉亮(独立・千葉スカイセイラーズ )とともにノンテンダー通告を受けて楽天へ移籍した。「海外、国内FA権を持つ各選手が、自由に球団を選択できるようするための措置」という説明だったが、実質の戦力外。中堅からベテランになりつつあった中で、給料と成績がそぐわないという判断だったと見られる。

「チームの優勝争いや本人にタイトルなどの目標があれば、ゾーンの状態に入る。しかし勝敗が決まったような試合では、信じられないようなミスをする。安定性のなさに加えて年齢、年俸などの条件面も考慮して(日本ハムは)放出を決めたのでしょう」(日本ハム担当記者)

 西川は今月の一軍復帰後、「人として成長できる数カ月になっている」と気持ちの変化を語っている。アマチュア時代から飛び抜けた才能で結果を出してきた男。ノンテンダーから続いている負の連鎖は、野球人生の中で初めての挫折かもしれない。

「気持ちの波を小さくするには時間がかかる。西川の能力の高さは誰もが知っているが、継続的に結果を出せなければ試合では使えない。野球選手として大きな分岐点で、良いプレーを継続することで周囲の信頼を勝ち取るしかない」(在京球団編成担当者)

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