このランキングで、畑岡が、2018年以降、常にベスト10にいるのは快挙と言える。というのも、過去のランキングを眺めてみると、日本選手で長期にわたって畑岡のようにトップ10以内をキープしたり、そこに返り咲いたりしている選手が少ないから。男子以上に新陳代謝が激しい女子ツアーにおいて、トップのレベルを維持するということがどれほど厳しいのか、ということがこのランキングを見るだけでもわかる。
2006年に世界ランクが始まった当初、日本勢のトップは宮里藍だった。2005年に女子ワールドカップで北田瑠衣と優勝すると、2006年から米ツアーに本格参戦。この年は世界ランク6位で終えた。因みに同9位には同年の国内賞金女王になった大山志保がランクインしている。
宮里が、次に世界ランクトップ10で年越ししたのは2009年だった。この年はエビアンマスターズで米ツアー初優勝を達成。国内でもSANKYOレディースで優勝するなど第8位で2010年を迎えることになった。
そして2010年は、ホンダPTT LPGAタイランドとHSBC女子チャンピオンズで連勝するなど米ツアー5勝を記録。6月には世界ランキング1位に君臨した。その後の宮里は、2011年、2012年も世界ランクトップ10をキープ。同じ2012年には宮里美香も同10位でシーズンを終えた。
しかしその後の日本勢は、2018年に畑岡がベスト10入りを果たすまで、5年間にわたってトップ10以内で年越しした選手はゼロ。獲得できるポイント数が多い米女子ツアーで活躍した日本勢がいなかったことが要因となっている。
世界ランキングにおける日本勢の盛衰は、トップ100を見るとより鮮明だ。例えば2014年のトップ100人選手は14名だったが、これが2015年11人、2016年10人、2017年10人、2018年11人と低迷。しかし、2019年に14人がトップ100に収まり復調すると、2020年も13人、2021年も16名が名を連ねた。