では、なぜ日本では痔の手術率がいまだ高いままなのか? 平田院長はため息まじりにこう語った。
「痔の場合、日本の医療制度では生活指導をしても保険点数がつかず、病院にお金が入らない。だから、当院は保険診療ではなく自費診療です。糖尿病と同じように、『痔は生活習慣病』という認識が早く広まってほしいですね」
(AERA dot.編集部・大谷百合絵)
●平田雅彦(ひらた・まさひこ)
1953年、東京都生まれ。1981年に筑波大学医学専門学群卒業。社会保険中央総合病院大腸肛門病センターで、大腸肛門病の専門医として臨床経験を積んだのち、現在は平田肛門科医院の3代目院長を務める。「Dr.Hips(ドクターヒップス)」のニックネームで、痔にまつわる啓発活動にも積極的に取り組み、YouTubeチャンネル「おしりの医学」では80本以上の動画を公開している。『マンガでわかる 痔の治し方』『38万人を診た専門医が教える 自分で痔を治す方法』『痔の9割は自分で治せる』など、著書多数。