3匹の関係は良好で、家に来てからケンカは一度もありません。プロレスはしますけどね。「小町」と「つや姫」がレスリング中、ピリカは参加せずに、物陰からじーっと見ています。
かと思うと、「ピリカ」にはあざといところもあり、私が「小町」と「つや姫」を撫でていると、後ろで“ばたっ”と音がして。ふりむいたら、「ピリカ」が仰向けになっていて。「ここにいるよ」と気を引こうとして、わざと視界に入らない場所で倒れて(笑)。
「ピリカ」も「小町」も「つや姫」を頼っている面があります。みんなの首輪を作るため、まず「小町」の首を計測しようとしたら、怖かったのか私に初めて「シャー!」。「小町」は言いつけるように「つや姫」のところにいったのですが、「つや姫」は「お母さんに向かって何してんだ」とでも言うように、ぽかんと「小町」の頭を叩いたんです。賢い!と思いましたね。
楽しい反面、大変なこともあります。
階下の犬の世話(腎臓を患って毎食手作りごはんの準備と一日おきに捕液)をしているし、散歩もあるし、そこにピリカの朝晩の圧迫排尿と排便とが加わったのですから。
圧迫排尿は、「ピリカ」にとって命綱のようなもの。しないと尿毒症になって死んでしまいます。水風船のような膀胱を外から探り、絞って尿を出します。私は立て膝をつき、「ピリカ」のお腹に手を当て、優しく均等に包み込むように絞ります。やり方は団体で習ってきましたが、「ここが膀胱ね」と自信を持って排尿させるまで、相当時間がかかりました。そして同じように、腸を押して圧迫排便をします。
「ピリカ」は布のパンツを履いています。紙のオムツだとかぶれるし、脱げてしまうので、犬の介護用パンツを作っている方に“特注”しました。パンツは8枚あって、手洗いしては干しています。勝負パンツはピンク色です(笑)
こんなふうにやることが増えて、体は前より疲れる。けれど気持ちは充実。無敵の可愛さですから!
■お転婆すぎて足を骨折
子猫だったピリカの成長は目覚ましく、わが家に来て逞しさが増したように思います。前足だけですいすい、すばやく忍者のように進みます。本人はそのハンディキャップをものともせず、ボルダリング選手みたいにキャットタワーを昇るので、肩周りと前足はムキムキ。
でも実は5月に、高所から落ちたのか後ろ足を骨折してしまったんです。本人には痛みの感覚はないのですが、パンツを履かせる時に違和感があり、慌てて動物病院へいきました。すぐに、キャットタワーも解体し、低い部分だけにしました。