トレバー・バウアー。勝利への執着心は誰よりも強い
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  モノが違う――対戦した他球団から驚嘆の声が上がっているのが、DeNAのトレバー・バウアーだ。

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 「想像以上でしたね。球威、変化球の質、制球力と全てが高水準ですが、印象的なのは洞察力。相手打者のストロングポイント、ウィークポイントを見極めて投げている。クレバーな投手ですよね。実際、登板を重ねる度に投球の質が良くなっている。球種も多彩だし、テンポも良い。攻略が難しい投手であることは間違いない」(他球団の打撃コーチ)

 2017年にインディアンス(現ガーディアンズ)で自己最多の17勝をマークするなど、5度の2ケタ勝利を記録。20年には最優秀防御率のタイトルを獲得し、サイ・ヤング賞を受賞している。メジャーを代表する右腕だが、「球界屈指の問題児」と揶揄されることも。問題視されたのは、ドジャースに移籍した21年6月に報じられた女性に対する暴行疑惑だった。MLBから324試合の出場停止処分を科され、その後に異議申し立てによる調停で処分期間が194試合に短縮されて復帰が可能となったが、素行についての懸念がつきまとい今年1月にドジャースを契約解除に。メジャーの他球団と獲得の合意に至らず、日本でプレーすることを決断した。 

 21年6月から実戦のマウンドに上がっていなかったためブランクが不安視されたが、メジャー屈指の右腕の実力は本物だった。春先は制球に苦労して炎上する登板が続いたが、実戦を積み重ねることできっちり修正する。交流戦3試合登板で3勝0敗、防御率1.50。来日初の中4日の登板となった6月14日の日本ハム戦(横浜スタジアム)では3安打1失点で来日初完投勝利を飾り、4勝目をマーク。球団初の交流戦優勝に大きく貢献した。

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