松山ケンイチさんが出演する映画「大名倒産」(6月23日(金)より全国公開) (C)2023 映画『大名倒産』製作委員会 配給:松竹
松山ケンイチさんが出演する映画「大名倒産」(6月23日(金)より全国公開) (C)2023 映画『大名倒産』製作委員会 配給:松竹

■高齢者の知恵や技術を若い世代に

 田舎暮らしを始めてから地域コミュニティーの大切さを改めて感じています。夫婦共働きで、妻が仕事で東京に行くときは、僕が子どもたちの食事とかの用意をしています。東京だったらシッターさんなどにお願いするところですが、とてもありがたいことに、ここではご近所の奥様方が手伝ってくださいます。「第5婦人までいます」って周囲には吹聴しますけど(笑い)、すごく助かっていますね。

 他にも採れたての野菜をいただいたり、農作業等を教えていただいたりする中で、僕たちもコミュニティーの一員として還元できることは何かについて、いつも考えています。もちろん合同での草刈りや、ゴミ拾いのクリーン作戦にも積極的に参加しています。

 少子高齢化が進む日本ですが、特に、地方農家の高齢化は深刻です。「大名倒産」のなかでも、“塩引き鮭”という新潟の特産品が一時期衰退しかけるシーンがあります。農業も同様に高齢者の知恵や技術を若い世代に受け継いでいくことはとても大切だと思っています。今後は、そのつなぎ役であったり農福連携(農業と福祉の連携)といったテーマで、役者を続けながらも地域に還元することはできないかと模索しています。

(構成・文/山下 隆)

※「朝日脳活マガジン ハレやか」(2023年8月号)より抜粋

まつやま・けんいち/1985(昭和60)年、青森県生まれ。2002年に俳優デビュー。映画「男たちの大和/ YAMATO」で注目を集め、「デスノート」シリーズの"L"役でブレーク。NHK大河ドラマ「平清盛」では主演を務めた。16年公開の主演映画「聖の青春」で、日本アカデミー賞優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞などを受賞。その他受賞歴も多数。23年はTBS連続ドラマ「100万回言えばよかった」、NHK大河ドラマ「どうする家康」に出演。3月には主演映画「ロストケア」公開。6月23日に映画「大名倒産」が公開される。

◆映画「大名倒産」(6月23日(金)より全国公開)=ベストセラー作家・浅田次郎の小説を映画化。江戸時代、越後の鮭役人の息子として平穏に暮らしていた間垣小四郎(神木隆之介)は、ある日突然、自分が徳川家康の血を引く藩主の跡継ぎだと知らされる。藩主へ大出世と思いきや、なんと藩には隠された25 万両(今の価値で約100 億円)もの莫大な借金が。実は小四郎に借金の責任を押しつけて切腹させようというたくらみがあったのだ……。松山さんは小四郎の兄で“うつけ”の新次郎を熱演。ほかキャストは杉咲花、小日向文世、浅野忠信、佐藤浩市など。

(C)2023 映画『大名倒産』製作委員会 配給:松竹
(C)2023 映画『大名倒産』製作委員会 配給:松竹
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