私なりに見出したパーソナリティ研究の総まとめ・集大成であり、日々の人間洞察の際に役立てている究極の「紙1枚」を作りました。

 4つのタイプは、右上から「火(Fire)・風(Air)・水(Water)・土(Earth)」の名称で分けています。

 この4要素を構成する2軸については、「自他の境界線をくっきり」分け、ドライな関係性を好むパーソナリティなのであれば「乾気(Dry)」。

 逆に、「自他の境界線が曖昧」でウェットな人間関係でも平気なのであれば「湿気(Wet)」が該当します。

 もう1つの軸は、「熱気(Hot)」と「冷気(Cool)」で分けていて、これは社交性が「外向的(エネルギーの方向性が外向き)」か「内向的(エネルギーの方向性が内向き)」かで分かれています。

 まとめると、「乾気×湿気×熱気×冷気」という自然環境を構成する4つの「気」の掛け算で、「火・風・水・土」という4つの「気質=パーソナリティ」が決定される。

 以上が、5つのタイプ分けを包含する究極の「紙1枚」パーソナリティ論なのですが……。

 これは「紙1枚」の枠組みに当てはめたという意味では確かにオリジナルなのですが、この4要素や2軸については以前から提唱されているものです。

 どのくらい前から言われているのかというと、古代ギリシャの時代にまで遡(さかのぼ)ります。

「火風水土」や「熱冷湿乾」といった4元論は、かつてアリストテレスなどによって提唱され、そこから2000年以上にわたって生き残っている最古のタイプ分けなのです。

 また、これは以前、僧侶であり芥川賞作家でもある玄侑宗久さんの著書から学んだ本質ですが、「自分とは自然の分身」といった捉え方もあります。

「自然の分身が自分」だとするのであれば、「熱冷や乾湿といった自然的要素」で「自身の気質=パーソナリティ」が決定されるという認識の仕方について、それこそ自然と受け入れられるのではないでしょうか。

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「人を見る目」が鍛えられる