たとえば、明確な目標を設定することで躍動するなら、その部下は「火のタイプ」でしょう。
チームのメンバー全員と積極的にコミュニケーションをとり、円滑な関係性を築くことが得意なら、「風のタイプ」と判断できるはずです。
プロジェクトをガンガン推進するというよりは、日々の管理業務を淡々と行ったり、不備が起きていないかチェックしたりすることに力を発揮するなら、「水のタイプ」と見立てて良いのではないでしょうか。
チームプレイではなくひとりで黙々と探求したい、期限つきではなく自分のペースで成果を出したいといった志向が強いなら、その部下は「土のタイプ」の可能性が高くなります。であるならば、どのように仕事を割り振れば良いかについても、たとえば「あまり短納期では仕事を頼まない」「調整業務よりは分析業務を」といった具合に、基本的な方針や勘所が自ずと見えてくるはずです。
やればやるほど、「人を観る目」を鍛えることができます。
その結果、「なんで僕の考えていることが、わかったんですか?」「そうです、まさにそれが今の私の悩みです」「いつも自分の適性に配慮したカタチで仕事を割り振ってくれて本当にありがとうございます」、等々。
部下が何を感じ、考えているか洞察できるようになってくれば、しだいにこういった感謝の言葉も増えてくるはずです。
■大切なのは部下をわかろうとするプロセス
ただし、改めて強調しておきたいことがあります。
どうか正解思考には陥らないでください。
このとっておきの「紙1枚」は、あくまでも部下を洞察する際の「とっかかり」として手渡したにすぎません。
結果的にタイプ分けが正しいかどうかは、気にしなくてOKです。
先ほどのようなセリフを言ってもらえる機会が増えてくると、「自分は部下のことを完全に理解できた」などという心境になってしまうこともあると思います。
ですが、そんなことは絶対にあり得ません。