基礎固めに必要な学習とは、数学や物理ならば、なぜこの問題でこの定理を使うのか、なぜこの理論が成り立つのか、その理由まで理解すること。解けなかった問題、間違えた問題については、なぜ正解にたどりつけなかったかを検証することだ。
「復習する問題はルーズリーフにまとめ、その日の夜と週末に繰り返し見直します。地道な作業ですが、こうしない限り一度間違えた問題は永遠にできないまま。解説を読んだ時間も、無駄になってしまいます」
さらにもう一つ重視したのは、受験勉強の計画作り。藤白さんの計画は「高3の夏までに必要な範囲を一通り終え、そこで見つけた苦手分野を秋以降に集中学習、直前期は復習を重点的に行う」というものだった。
「まず志望校に合格するために必要な学力を考え、そこから逆算して夏休み前、夏休み、夏休み以降に取り組むべき内容や参考書をリストアップしました。受験勉強は、どうしても時間が足りなくなるもの。できるだけ完璧に近づけるためには、計画作りが欠かせません」
受験生時代、平日は学校が終わると一般利用が可能な自習室へ直行し、毎日夜10時まで勉強した。息抜きは、ボーイズグループのオーディション番組。分野は違っても、狭き門を目指してストイックに努力する候補者たちの姿が、励みになった。
出願は1校のみ 入試本番では焦りも
3年生になってからはスランプもなく、共通テストでも高得点を取得。その点数を受けて、最終的な出願校を検討した。東京の大学へ行くことは決めていたものの、前期で東大、後期で医科歯科大を受けるか、前期で医科歯科大を受けるか。悩んだ末、より確実性の高い後者のプランを選択。私立大受験は、日程が合わず、見送った。
「医科歯科大の入試では、数学の大問1がわからず、焦りました。でも試験では実力の120%ではなく100%を出すことが大事。すぐ気持ちを切り替え、残りの問題に全力で取り組みました」