医学部の受験情報などを発信してきた元・人気YouTuber藤白りりさんは、独学で現役合格をつかんだ医学生だ。難関を突破した極意を、週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる2023』(2023年1月発売)から抜粋して紹介する。
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藤白りりさんは、東京医科歯科大学医学部医学科の5年生。日々授業や実習で多忙な中、自身のYouTubeチャンネルで受験生に向けたアドバイスや医学生の日常を紹介する動画を配信し、人気を集めてきた(2023年3月末終了)。
難問よりも基礎固め計画を立てて効率化
「今はちょうど初期研修先を探すマッチングの時期なので、病院見学にも行っています。興味があるのは、循環器科や産科、消化器内科です」
人の健康を守る医師という仕事に魅力を感じるようになったのは高校時代。小学校から高校まで通った母校、智辯学園和歌山高等学校は、毎年、現役で50人前後の医学部合格者を出す進学校だ。
高校2年から受験勉強を始めた際は、両親から通塾を勧められたが「自分に合う勉強法は、自分が一番よくわかるはず」との思いから、季節講習以外はほぼ塾に通わず、独学メインの学習を貫いた。
塾に通わない代わりに、学習に使う参考書選びにはこだわった。選択の基準は「自分を成長させてくれるか」と「自分の苦手な項目のページを読んで、わかりやすいと感じるか」。1教科につき2冊程度を厳選し、徹底的に使い倒す。もちろん、そのようなやり方に行き着く前には、失敗もあった。
高校2年の終わりごろ、インターネットのレビューにひかれて、難問ばかりを集めた問題集を使い始めたところ、成績が伸び悩んだ。難しい問題を解くことに気を取られ、基礎の理解が疎かになっていたことが原因だった。
「医学部が難しいのは、難問が多く出題されるからではなく、受験生のレベルが高いからです。重要なのはほかの受験生が正解する問題を、絶対に落とさないこと。そのためにもまずは基礎固めをすべきだと、このとき気付きました」