また、おせち料理には淡路島産の「淡路島伊勢えびの塩ゆで」が詰められているとして、写真も撮影されている。しかし、淡路島で伊勢えびが獲れるのは、

「年間100匹とか200匹だと調査で明らかになりました。すべて使ってもおせち料理2千セットには足りません。これも産地偽装ではないのか」(濱野市議)

 さらに市は、返礼品で禁じられている「おまけ」として、クオカードや玉ねぎスープをつけていたことも判明した。3400万円で発注された玉ねぎスープ63万本のうち、44万本あまりが在庫として市に残っていることもわかっている。

 市の魅力創生課に聞いた。まず、淡路牛については、

「一頭買いというのは淡路牛一頭に相当する枝肉という意味です。だから、ホルモンなどはありません。請求書などに一頭と書かれており、一頭買いで牛すべてというように思われているので、今後は改めたい。140万円の淡路牛が多いという点は今、業者に問い合わせをしている。ハンバーグはすべてが洲本市のものというわけにはいかないこともあるので、一部、地元以外の食材が混じっていることがあるかもしれない」

 と答えた。次におせち料理については、

「新成人や医療従事者などに配ったのは廃棄処分になる可能性があるものだった。返礼品として市から支出されているので、問題はあるので改めたい。選挙との関連はよくわかりません」

 おまけとして使われた玉ねぎスープについては、

「在庫44万本あまりは、賞味期限などの関係で、3月から4月にすべてフードバンクに寄付しました。もう洲本市にはありません。廃棄するよりはいいとの判断です」

 と説明した。玉ねぎスープは発注量の7割ほどにあたる44万本が寄付に回されたというから、2300万円以上の税金が失われたことになる。

 次から次に出てくる返礼品の疑惑。税金を使っているというのに、市のコンプライアンス意識の欠如ははなはだしい。

 第三者委員会は今夏をめどに最終的な報告書を公表するという。

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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