コンビニの日本初登場から約50年。小売りの常識を破り、急拡大してきたが、消費者が抱くコンビニのイメージは昔のままかもしれない。この50年でコンビニ食の環境はどう変わったのか。私たちの暮らしに欠かせない「食」関連の情報をアップデート。AERA 2023年7月3日号の「コンビニ」特集の記事を紹介する。
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気がつけば、コンビニエンスストア(コンビニ)という業態が誕生してから半世紀が経過している。1974年5月、国内初のセブン-イレブン店舗となる豊洲店が東京都江東区にオープン。翌年6月にはローソンが大阪府豊中市で1号店(桜塚店)を開業。ファミリーマートは73年、埼玉県狭山市に西友が小型店の実験第1号店を開店。78年に西友のファミリーマート事業部として発足した。
深夜に来店する客の数なんて限られている──。当初はこうした先入観を抱かれていたが、現実は違った。「残業帰りに寄っても必ず開いている近所の便利な店」として市民権を獲得。弁当やおにぎりからホットスナック、スイーツ、あらゆる日用品まで幅広い品ぞろえで「真夜中でも食欲を満たせる、“アレを切らした!”に応える店」という信頼も勝ち得た。
■食の流通システム激変
コンビニはここで満足しない。ATMの設置や光熱費をはじめとする各種支払いへの対応、宅配便の集荷のみならず受け取りなど、50年の歩みの中で買い物以外のサービスも充実させた。まさに社会インフラの域まで来たわけだが、私たち利用者側はそういった変化をちゃんとキャッチできているか?
ひょっとしたら、50年前の頃とさほど変わらないイメージを、今のコンビニに持っている人は意外と多いかもしれない。
本特集では生活に欠かせないテーマとして「コンビニの食」「コンビニとマネー」にスポットをあてたうえで、それぞれの“現在形(最新事情)”も調査した。さらに、コンビニの未来に向けた取り組みも追う。