AERA 2023年5月22日号
AERA 2023年5月22日号

■畑を広げることが役目

――「アニメが好き」という個性を早くからオープンにし、声優やアニメ関連のラジオ番組など、仕事につなげてきた。

佐久間:今でこそ、どんなジャンルでも好きという気持ちは尊重されるように、堂々と「アニメが好き」と言える世の中になってきたと思いますが、昔は「アニメが好き」を隠さなくてはいけない空気がありました。僕もジャニーズに入ってしばらくは、公言することができませんでした。

 でも、Kis-My-Ft2の宮田(俊哉)くんが言える土壌を開拓してくれた。ゼロから1を作るのは、1から100にするより大変だと思います。僕の役目は宮田くんが作った畑を広げることだと思っています。

 ラジオは、誰もが自分の「好き」を思いきり「好き」と言える世の中になったらいいなと思ってやっています。「好き」には熱量があるし、僕が本気で語るのを聞いて、「自分も言っていいんだ」と思う人が増えるといいな、と。

■皆がご機嫌になれば

――4月からはEテレ「みんなの手話」のナビゲーターに就任した。手話に興味を持ったのは、漫画がきっかけだ。

佐久間:大好きな少女漫画に、手話を題材にした作品があったんです。手話がわかれば、もっと深く作品を理解できるのかなと思って、興味はずっとあったんですが、一歩目をどう踏み出したらいいかがわからなかった。そんなとき、番組のお話をいただいた。

 収録が楽しくて仕方なくて、ずっと笑っています(笑)。出演者の皆さんと、早く手話で冗談まで言い合えるようになりたいです。テキストで学ぶ以外にも実践的な日常会話を学びたくて、目黒(蓮)のドラマsilent」を、手話中心に見直したりもしています。手話を学ぶ以前はまったくわからなかった「あ、そういう意味で、ここでその手話を入れているんだ!」みたいな発見もあって、面白いです。

 目標は「紅白歌合戦」で手話通訳をすることですが、ファンの皆さんとも手話で会話ができたらうれしい。新しいコミュニケーションツールを学んでいると思うと、本当にこれからが楽しみで仕方ないんです。

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