――明るい声が響くと、現場の雰囲気も明るくなった。取材中も笑顔を絶やさない。自身をムードメーカーと任じている。
佐久間:僕が大切にしているのは、「どんなときも、自分が一番に楽しむ」ことです。そして、グループでいるときはメンバーを楽しませたくて、様子をうかがっています。僕らも人間だから、スケジュールがキツいときなんかは、どうしても「疲れた」「つらい」と思うこともある。でも、現場が重くなるのは嫌じゃないですか。そんなとき、いかに軽くするかが僕の役割だと思っています。僕、全員の機嫌の取り方をわかっているんです(笑)。そして、そうすることは全然苦じゃない。だって、皆がご機嫌になれば、素晴らしく楽しい現場になるんですから。
「楽しい」という気持ちは、絶対に人に伝わるんです。僕らを見てくださるファンや視聴者の皆さんにも、僕たちが本当に楽しんでいるのが伝わるから、幸せになったり、楽しく感じてくれるんだと思っています。
それに、死ぬ時に「めっちゃ楽しかった! 次も楽しそうだな~」と思う人生でありたい。そのためにも、「楽しい」と言っている時間を増やしたいんです。僕も苦手と感じる分野の仕事はありはしますが、「苦手」と「嫌い」を広げても、いいことはないでしょう。どんな小さなことでも「好き」と思う部分を広げていくと、どんどん好きになれるんです。
■「なれたらいいな」力に
――明朗快活でポジティブ。だが、13歳でジャニーズに入所したときは「まったく違う性格」だったという。
佐久間:僕、人生、諦めているような子どもでした。人見知りだし、引っ込み思案だし、人の目を見て話せないし。でも、小学校2年生からダンスをやり始めて、初めて表現の楽しさを知ったんです。というより、ダンスが自分を表現する唯一の方法でした。
それでジャニーズに入ったんですけど、人見知りだから、最初は前に出られなかった。「このままでは埋もれてしまう」という危機感もあって、ある時期から気持ちを切り替えたんです。人と比べて落ち込むことをやめて、なるべく前に出ようと頑張ったり、積極的に人に話しかけたり。そのときは無意識だったんですが、憧れていたアニメのキャラクターに自分を寄せていくことで、変わっていけた気がしています。
僕が憧れたり好きになったりするのは、ほとんどが自分に近いキャラクター。たとえば、「うたの☆プリンスさまっ♪」の来栖翔くんは、背が小さくて金髪で明るくて元気で、でもすごく努力をしているアイドルです。これまで出会ってきたアニメにそんな存在があったからこそ、いつも「こういう自分になれたらいいな」を力にしてくることができた。アニメがなかったら今の僕はないと思います。