責任の重さ、長時間労働、部下との関係……。「管理職」にはネガティブなイメージがつきまとう。一方で、醍醐味を見いだす人もいる。今どきの管理職事情を取材した。AERA 2023年3月27日号の記事を紹介する。
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管理職であるからこそ、労働時間が調整しやすいという声もある。会議や納期の期日設定などの主導権を握ることができるからだ。
都内のコンサルタント会社でディレクターを務める女性(47)が初めて管理職になったのは、外資系メーカーで働いていた32歳の時だ。
「なってみて、なんて自由なんだ!と驚きました」
と笑う。ゴールデンウィークなどが飛び石連休になれば、自分も部下もまとまった休みが取れるように仕事を調整。人を育てるというミッションにも価値を見いだし、以来、転職はしているが、管理職のポジションを満喫しているという。
「リーダーになれば、組織のことが本当の意味でわかると思うので、やってみたい」
と話すのは、都内のアーキビストの女性(47)だ。
大学卒業後、5年ほど出版社に勤務し、退職。2人の娘を育てながら、フリーライターなどの仕事を続けてきた。現在は、私立学校で古文書や公文書の保存・管理を担い、4月からはフルタイム勤務になる予定だ。これまで管理職の経験はないが、数年後に上司が定年退職すれば、管理職である室長になる可能性があるという。女性は、来たる未来について、こう話す。
「不安もあるけれど、勤務先の女性事務長が仕事のできる人で、素直にかっこいいなと思い、尊敬している。仕事の根回しはどうして必要なのか。本当にやりたい仕事を実現させるためにはどうすればいいのか。管理職になってから考えてみたい」
■たまたまなるものに
働き方評論家で千葉商科大学准教授の常見陽平さんは、管理職のイメージをネガティブからポジティブに転換するために「閣僚制度」を提案する。
内閣が組閣され、入閣した議員や学者が次の内閣では入閣しないことは多々ある。これを、誰も必ずしも降格されたとは思わない。