「厳しい立場だが打者としての評価は高い。日本ハム時代を含め代打での出場が主だったため、良さを出せなかったのもある。1試合4打席立たせれば何かしらの結果を残すはず。二軍で結果を残せているのも、打席に立つ機会をしっかり与えられているからという部分もある」(巨人OB)

 石川は2011年ドラフト3位で日本ハムに入団し、2016年オフに巨人に移籍。移籍1年目は開幕一軍入りを果たし、スタメン出場も増えた。99試合の出場で、57安打、5本塁打、20打点をマークし、新天地での飛躍を感じさせた。しかし、翌年以降で最も一軍での試合出場が多かったのが2019年の55試合。ここ数年は先述のように二軍で成績は残しているものの、「一軍では……」という状況から抜け出せていない。

「二軍では打率3割超で本塁打も2ケタ放つシーズンもあるなど実力は突出している。一軍では代打を中心に少ないチャンスを生かそうと思って気負い過ぎてしまうのかもしれない。マスコミ対応でも穏やかで真面目な部分が伝わる。優しい性格がブレークを阻害しているのかもしれない」(巨人担当記者)

 移籍7年目を迎えた今年も「一軍半」の立ち位置。しかし能力の高さは折り紙つきだけに「欲しい」と思っている球団もあるはずだが、巨人はトレードに出すこともない。今季は左腕・田口麗斗との交換でヤクルトから獲得した広岡大志をオリックスに放出した。トレードに関しては決して消極的ではなく、石川が移籍する可能性があるとも考えられるが……。

「原辰徳監督を含め球団内の評価は高い。移籍時にはトレードの交換相手だった大田泰示(2008年の巨人ドラフト1位、現DeNA)に引けを取らないとの声も聞かれた。そこは今でも変わらず、ほんの少しのきっかけで大化けすると信じている」(巨人関係者)

 結果的に周囲からは「飼い殺し」に見えてしまっているが、チームとしてはまだ活躍できる選手として見込んでいるという。

 しかし依然として「他球団が獲得に動きそう」という情報も錯綜する。特に西武山川穂高が“不祥事”を起こして今後が不透明なため、一番手とも言われているが……。

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石川は“飼い殺し”から脱することができるか