
交流戦を7勝10敗1分けと負け越し、借金が今季ワーストの15にふくらんだ中日。優勝どころかCS進出が厳しい状況に早くも追い込まれている。交流戦終了後のテコ入れ策として緊急補強を敢行。山本拓実、郡司裕也との交換トレードで日本ハム・宇佐見真吾、斎藤綱記を獲得した。
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宇佐見は捕手のレギュラー格として期待される。正捕手の木下拓哉が今月14日のロッテ戦(バンテリンドーム)で守備の際に投球が右手甲に当たり、途中交代。病院で検査を受けた結果、「大菱形(だいりょうけい)骨骨折」と診断されて戦線離脱したため、捕手の補強に動いていた。左腕の斎藤はサイド気味の投球フォームからのスライダーが武器のリリーバーだ。ただ、立浪和義監督に対する風当たりは強い。来季までの3年契約だが、中日ファンからは「その場しのぎの補強、場当たり的な起用法で強くなる未来が見えない」「立浪監督はもう限界。代えるべきでしょう」など批判の声が高まっている。
「チーム再建の期待が大きかった分、ファンの失望感も大きいのでしょう。守備力と走塁への意識を重視したチーム改革で選手の能力を引き出している日本ハム・新庄剛志監督と対照的です。中日も選手個々の能力は決して低いわけではないのですが……。2年連続で今年も最下位に沈むようだと、来年も立浪監督が指揮を執ることに疑問の声が当然上がる。責任問題になるでしょう」(スポーツ紙デスク)
立浪監督は言わずと知れた中日のレジェンドだ。「ミスタードラゴンズ」として22年間の現役生活で残した実績は輝かしい。高卒1年目から遊撃のレギュラーを獲得してリーグ優勝に貢献。新人王を受賞し、高卒ルーキーで初のゴールデングラブ賞を獲得した。その後もチームの中心選手として活躍し、晩年は代打の切り札に。広角に打ち分ける天才的な打撃技術で通算2480安打をマークし、NPB史上最多の通算487二塁打を記録した。2009年限りでユニホームを脱いだ後は、他球団からコーチの打診を受けた時期もあったが、中日の監督にこだわった。その思いが成就し、13年ぶりに中日のユニホーム姿で戻ってきた。